ちわッス。柚瑠です。
こないだ海外出張から帰ってきたという親父が、久々に家に遊びに来た。
俺の事故をお袋から聞いて、心配して様子を見に来てくれたんだそうだ。
両親には、ヒロと俺は親友という関係で通しているから、恋人だって事は内緒にして、簡単な日常の話をしていると、親父がふいに昔の話を始めた。
親父にはかつて、とても大切な親友がいた事。
大学の時にその人と一緒に暮らしていた事。
そして、俺も驚いたが、その人に対して友達以上の特別な恋愛感情を抱いていた事。
その親友も親父と同じ気持ちでいてくれてたって事。
…なのに、二人が悩んで悩んで、それでも一緒にいたくて、ようやく恋人として付き合い始めた矢先に、その人が急病で突然亡くなってしまった事。
その後、なかなか立ち直れずに長い間苦しんだ事。
お袋と結婚し、兄と俺と弟が生まれ、それでもいまだにその恋人の存在が忘れられないでいる事。
俺にはすごいビックリ内容だったけど、親父は、俺とヒロが恋人なんじゃないかって、うすうす気付いていたらしい。
そして俺には後悔の残るような事はして欲しくないって言ってた。
だから、俺もヒロは恋人だって親父に話した。
…――そして、ヒロとミナ姉だけが知ってた事で、まだちゃんと自分の口からは辛くてマトモには言えない事だけど、俺が前に付き合ってた相手…親父と同じような想いをした過去の話。
言えずに黙っていた事を全部話した。
親父は、今の恋を大切にしなさいって言ってくれた。
お袋には俺達の関係は言えないけど、親父が認めてくれた事、すごく嬉しかった。
なんか今日は過去を思い出して少し辛かったけど、心がポカポカほわほわしてる。
うん。俺は大丈夫…。
ヒロとの事、後悔なんかしない。
後悔するような事なんかしたくない。今度こそ。
今の俺を、君は許してくれますか？
君と過ごしたあの時間…決して忘れない。忘れられない。
君との思い出を、普通に泣かずに喋れる日が来るのかな…。
今回はちとシリアス…？
