夢を見た。
夢の中にいるのはたぶん高1の頃の自分。
これは夢だって自分でも分かってて、でも夢の中の状況は過去実際にあったこと…そんな不思議な夢。
当時の俺はバンドをやってて、毎日歌えればそれでいいと思ってた。
ボーカルは俺でベースはマコ先輩、ドラムはジュン、そしてギターはユウ。
夢の中の俺は恋をしていた。
好きな相手はユウ。
好きだ…なんて絶対に言えない、絶対に気持ちを悟られちゃダメだ…そんなことばかり考えてて、でも諦める事もできずに好きだって気持ちを押し殺して友達やってる…そんな日々。
≪ユウと付き合う前の話はコチラ≫
絶対叶うことはないだろうと思ってたその想いは叶って、俺はユウとつきあってた。
誰にも言えない秘密の関係。
今が幸せならそれでも良いと思ってた。
でもその幸せは長くは続かなかった。
突然の事故。
俺を庇ってユウは重体…半年後に亡くなった。
…そんな過去の出来事の夢。
すると目の前が真っ白になってユウが現れた。
ユウは寂しそうな顔で
【ユズはまだここに来ちゃダメだよ。まだ早い。それに先生(ヒロの事)が悲しむ…。】
もう二度と会えないと思ってたユウ。嬉しい気持ちと罪悪感で会えた事に素直に喜べない俺。
ずっと心の中で思ってたことを俺は聞いてみた。
「ユウ。俺、ユウが死んじゃって、それなのにヒロと付き合っててもいいのかな…。」
するとユウは優しく笑って、
【ヒロ先生なら俺も安心してユズを任せられる。それに俺はもうユズと同じ所には居られないから。俺はもう長くないって思った頃に先生に頼んだんだ、ユズの事。だからユズは先生と幸せに過ごしな。俺はずっとお前を見守ってるから。】
そしてユウは俺にそっとキスをして、
【さ、ユズはもう戻りな。先生のもとへ。】
その瞬間、目の前が眩しくなったかと思うと目が覚めた。
あたりを見渡すと医療機器がたくさんある、見慣れない場所。
近くには両親とヒロの姿。母さんは長いこと泣いてたような顔してた。
俺は現状がよくわからないでいると親父が、俺の容態が急変して一時意識不明でヤバい状態だったと言った。少しの間心臓が止まったらしい(怖っ!!)
後でヒロに、ユウに会ったって言うと、じゃあユウに助けられたんだね…って言って、最期の最期まで俺の事を心配してたから…って。